築50年の家のリフォーム 家の思い出を残して快適な暮らしを手に入れよう
「築50年の古い住宅では、もうリフォームもできないでしょう?」と思ってしまうかもしれませんね。
結論からいえば、築50年でもリフォームは可能です。
古い家は経年劣化による家の歪みやカビ、壁紙の破れなどが発生している可能性があります。しかし家の基礎の部分さえしっかりしていれば、まるで新築同様に生まれ変わらせることも可能です。
築50年の家のリフォームとはどんなものなのか、何が必要なのかを見てみましょう。
住宅の平均寿命
「両親が住む実家は築50年だけど、まだまだ普通に住んでいる」という意見もよく耳にします。
築50年、数字だけ見るとそうとう古く感じますが、実際のところはどうなのでしょうか
建物の寿命は、「木造住宅・鉄骨住宅の寿命は30年前後」「鉄筋コンクリートのマンションの寿命は40年前後」といわれています。
しかし実際には、30年経っても家に住むすことはできますし、マンションだって大きな問題はないでしょう。
丁寧にメンテナンスをすれば、80年、100年持つ家もあります。
築50年以上の住宅の問題・課題点
しかしそうはいっても築50年の家は、一見何も問題ないように見えて、家の基礎部分が老朽化している場合があります。それに伴い、いくつかの暮らしにくさを感じてしまうかもしれません。
すきま風が入る
木造の家の場合、柱や梁の部分はすべて木です。湿気や温冷で木が歪み、すきま風がはいることがあります。それ以外にも窓サッシやレールの歪みによって、空気が通り抜けやすくなっている場合もあるようです。
部屋が寒いため光熱費がかかり、さらに冷暖房によって温めた部屋の窓には結露ができるでしょう。古い住宅だと窓の結露対策もされていない場合が多く、カビやダニの発生原因となります。
水道管・配線の劣化
水道・下水の配管は目に見えず、劣化には気づきにくいです。しかし蓋を開けてみれば磨耗が激しくなっていたり、つまりが生じる寸前だったりすることも珍しくありません。古い家であればあるほど、その傾向にあります。
配線に関しても、コンセントの数が足りず、タコ足にタコ足をつないでいるご家庭も見かけます。
配線の密集は火事の原因にもなりかねないため、コンセントの数を増やすといった工事をおすすめします。
基礎の腐食
築50年もたっていると、柱や梁、建物の土台が傷んでいる場合があります。とくに木造の場合、木材部分がシロアリ(北海道はごく一部の地域)に侵食されていれば、リフォームをしても寿命は長くは伸びないかもしれません。
また、地下水のくみ上げすぎや経年劣化によって、地盤が緩んでいる可能性もあります。
場合によっては地盤改良や杭打ちなど、手間とコストがかかる工事が必要になります。
再建築不可物件
古い土地は、建て替えができない場合があります。「再建築不可物件」と呼ばれるものであり、4m以上の幅の道路に接した土地が2m以上ないと、家を再建築することは、基本的にはできません。これは緊急車両が入れることを想定しての幅です。
リフォームは問題ありませんが、「家を一度解体して、同じ土地に一から建てる」は不可能なため、注意が必要です。
築50年以上の住宅 リフォームのメリット
築50年の古い家は、リフォームをするより新築で建て直したほうが良いのでは?と思うかもしれませんね。
しかし、築50年の家のリフォームには、いくつかメリットがあります。
新築よりも安価
昔ながらの家は、ヒノキといった強度の高い木材を使っていることがあります。築50年の家のリフォームは、この既存の柱や基礎を活かすことで、新築を建てるより安価ですむ場合が多くあります。
家の思い出が残せる
築50年ともなれば、家にまつわる思い出も多くあるでしょう。壁についた傷、柱の1本さえも愛おしい存在、と感じる方も少なくありません。
リフォームでは残しておきたい部分はそのままにして、新たな家づくりが可能です。50年の思い出とともに、新たな人生のスタートを切れるでしょう。
耐震性の強化
1981年より以前に建てられた住宅は、今の住宅に比べて耐震性度が充実していません。リフォームをすることで、地震に強い家に生まれ変わります。
築50年以上の住宅 リフォームのデメリット
一方で、築50年だからこそつきまとうデメリットもあります。
間取り変更の工事は難しい
古い家は耐震性に優れていないため、家を支えるための壁をなくすリフォームは、難しい場合もあります。
もちろんまったく不可能というわけではありません。家の状態やリフォーム会社の技術によって、可否が変わります。施工を依頼する会社に、よく相談をしてみましょう。
耐震補強工事は高額になりやすい
築50年の住宅のリフォームをする場合、とくに力を入れたい部分は耐震性向上、という方が多くいます。
耐震補強の工事は、数あるリフォーム工事の中でも高額になりやすい部分です。
どの程度の金額になるかは、家・土地の状態、使用する材料によって変化します。
築50年の家は思い出を残したリフォームがおすすめ
50年も人が住んだ家には、思い出がたくさん詰まっています。そのため解体してしまうよりも、良い部分を残して費用を抑えたリフォームがおすすめです。リフォームができない部分もあるかもしれませんが、プロのアドバイスを聞くことで対策が見えてくるでしょう。大切なおうちの記憶をそのままに、快適な暮らしを手に入れられたら良いですね。